7 へっぽこバスタード小説
生贄
パイロット版
▲BACK
・・・・・はじまり・・・・すべてはここからはじまる・・・・狂気、絶望・・・そして終焉・・・・・

赤道上空、黒い影二つの影が高速で移動を繰り返す。二つの影はたびたび曲芸を見せるかのように交差を繰り返す。まるで何かの始まりを告げる踊りのように・・・・








薄暗い室内に何か青いものが発光している。みるとそれは何か液体の入った円筒状のガラスケースのようだった。
「なんだあれは?」
俺・・・なのか?もしかしたら私なのかもしれない。とにかくその視点の主である「俺」はそう呟いた。興味を持った「俺」はそのケースに近づくことにした。
「ん?こ、これは・・・・」
ケースに近づきそのケースの中に入っていたそれをみた「俺」は驚く。
「人・・・なのか?」
その中にあるもの・・・それは明らかに「人」の形状をしたものが入っていた。ただそれを「人」と認識させるのに違和感を持つ理由があった。その「人」には管・・と思われるものが何本も突き出ていたからだ。
「これはいったい何なんだ・・・」
そう呟いた刹那、背後から別の声がした
「それは、あなた自身よ」
「え?」
そこでテープの切れたビデオ画像のように全てがブラックアウトしていった・・・・



「ん・・・」
まぶたを開けた「俺」の視界には見慣れた天井が見える。
「ゆめ・・・か・・・」
天井をボーっと眺めながら俺はまだ鮮明に覚えている「夢」のことを考えていた。
『それは、あなた自身よ』
どういうことだ?なにかの前触れなのだろうか・・・結構霊感があるからなぁ・・・
そんなことを考えてるとふと先ほどから右腕に圧迫感を感じていることに気がついた。俺はおもむろにそちらのほうを振り向く。
そこには女がこちらを向いて小さな寝息を立てながら眠っていた。
なんだ女か・・・・え?女!
「よ、よ、頼子!」
瞬間的にベッドから飛び出し。情けないことに思わず叫ぶ俺。きっと近所中に聞こえただろう。
「ん〜、うるさい・・・・もうすこしねかしてぇ・・・」
その女・・頼子は寝ぼけ顔炸裂で俺に抗議の声を返した。そして何事も無かったの様に再び寝息を立てる。
もう少し・・・じゃねぇ!寝るな!おきろ!
先ほどではないにしろ怒鳴り声を上げる俺。それ対して頼子は多少面倒くさそうなしぐさをしながら上半身を持ち上げた。
「ん・・・・ファワァァァ・・・・ンーーー。あ、達郎・・・おはよ〜ん」
まだ寝ぼけた顔をしながらそれでも今度は達郎・・・俺のことだ・・・を見ながら答える。
「おはよ〜ん・・・・じゃ、ねぇ!なんでお前が俺のベッドで寝てるんだよ!」
俺はちょと取り乱しながら捲くし立てた。
「ナニ言ってるのぉ〜?昨日の熱い夜をもう忘れちゃったの?私なんてまだこのあたりが、ネ☆」
「ネ☆でもねぇ!んなことしてねーだろーが!だ、だ、だ、大体俺たちは姉弟だろうが!何トチ狂ったこと朝っぱらから言ってんだよ」
そう頼子と俺は姉、弟の間柄である。
「フ、フ、フ、フ〜ン。なーにが姉弟なんだか〜。この狼君がぁ」
しらじらしい・・という感じのいたずらっぽい瞳で頼子はこっちを見る。
確かに俺と頼子は姉弟だ。しかしそれは戸籍上だけのこと。実際は血のつながりはない。そのことは俺も頼子も知っているしそれを承知の上で今でも生活をしている。
「な、なんだよ」
まただ・・・何かっつーとあの時の事を意味ありげに持ち出しくる。あれを出されると何もいえないことをあいつはよ〜く分かっているんだろう。
「こんな時だけ弟持ち出すのかぃ、クックックッ」
ったく、惚れた弱みと言うか・・・・そう俺はこともあろうか義理とはいえ姉である頼子に惚れちまっている・・・・全く持って生涯最大の失敗だ・・・・だがこればっかりはどーしようもねぇ。半分あきらめている・・・・・ちなみにまだ頼子にその気持ちをはっきりと言ったことは無い・・・まぁ言葉に出さなくても分かることもあると言うか、実際に一度手ぇだしてるし・・・・って、んなことは今はいいんだよ!
「あーあーうるせぇな。大体お前今日だろが。親父達ンとこに行くのは。そろそろ起きねぇとフライトに遅れるぞ」
そういいいながら頼子に目覚し時計を投げつける。
「あ、いっけなーい。もうこんな時間。そろそろ起きなきゃ。達郎、支度なさいよ」
そそくさとベッドを降りると自分の部屋に向かっていった。
「それは、俺のセリフだ」


-キッチンにて-


「実際なんで俺の部屋で寝てたんだ?」
俺が作ったサラダとスクランブルエッグをのせた皿を頼子に渡しながら俺は再び尋ねた。
「んー?ちょっと寝付けなくてあんたん処に潜り込んでみたらそのまんま寝ちゃったみたいなのよねぇ。ところで達郎」
スクランブルエッグをパクつきながら俺を呼ぶ
「なんだ?」
「私の寝てる間に何もしなかったでしょうね」
ブ!
「お前が寝てるのに気が付いたのはついさっきだ!大体そう思うんなら人の布団に潜り込むなよ」
なんつーこと言うんだこの女は。
「そーよねぇ、寝こみを襲うなんて男のすることじゃないわよねぇ」
自分で潜り込んどいてナニ言ってんだか。
「姉としてもそんな弟に育てた覚えないし」
いつお前に育てられたっつーの
「くっだらねぇ事言ってないでさっさと喰え」
「達郎は?」
「もう喰った」
「相変わらず早いわねぇ。食べることに関しては」
意味深な言い方をする。
「なんだそれは?」
「言葉そのまんまよ。食べるの早いわねってこと。ご飯も女の子も」
こ、このアマ。
「あ、怒った?図星?ねぇねぇ?」
「だから早く喰え!もう時間ねぇっつってるだろが!」
「ハイハイハイ」


羽田新国際空港


頼子は夏休みを利用して親父とお袋が行っているエジプトの発掘現場へ二週間程手伝いに行くことになっていた。考古学を専攻している頼子にとってはいい勉強になるらしい。
『達郎もいっしょにいく?』
俺も誘われたが考古学に興味なんぞ無い俺には行く理由がなかったので当然断った。
「どうしたの?」
ボーっとしながら歩いていたのか頼子が心配そうな顔をしながら話し掛けてきた。
「あ?いや、なんでもない」
「そう?あ、もしかして私と離れるのが寂しい?」
図星でしょ。という顔をしながら俺の方をみる。
「ん、んなわけないだろが」
「ホント〜?心配だなぁ」
柱のそばで立ち止まりちょと心配そうな顔をする。
「ったく大丈夫だよ」
頼子の顔を見てちょっとテレが入る。ぶっきらぼうに答える俺に対して頼子は急に寂しそうな顔をする
「もし達郎が行くなって言うなら私行くのやめようかな・・・」
目を潤ませながら俺のほうをみる頼子。やめろ。そんな顔しないでくれ。
「頼子・・・」
『あ・・今朝は妙に突っかかってくるかと思ったらもしかして・・・・』
そんな都合のいいこと考えなら俺は自分の唇を瞳を閉じた頼子の唇に近づける・・・・あ〜、俺って状況に流されやすいよなぁ・・・


以下ちょい待ち★




Writing finish 2000/4/13